兄弟と連絡を取りたくないときの遺産の話し合い方法、遺産分割調停とは

相続が生じたとき、どうしても他の相続人である兄弟と連絡を取る場面が多くなります。しかし、あまり連絡を取りたくない、連絡先を知らないということもあります。そんなときはぜひ、司法書士にお任せください。

 

兄弟姉妹で絶縁していることは珍しくない

兄弟姉妹と何年も連絡を取っていない、住所さえ知らない、というケースはそれほど珍しくありません。昔は仲の良かった兄弟姉妹でも、お互いに家庭を持ち、別々の場所で暮らしていると、どうしても考えや生活レベルに差が出てきてしまいます。

また、近くに暮らしていても話したくない、関わりたくない、という方も珍しくありません。お金のトラブル、介護のこと、家族に迷惑をかけたなど、様々な理由で縁遠いことがあります。

 

身内の恥を晒したくない

ただ、ご高齢の方ほど、こうした状況を恥ているというか、話しにくいというご相談があります。手紙を出してみたけれど返信がない、宛先不明で返送されてきた。葬式にも来ないのに遺産のことだけ要求してきた。など、様々な事情により、相続の話し合いが進まない、できない状況があります。

 

遺産分割調停という方法

こうした場合、裁判所で遺産分割調停を行う、という方法があります。調停は一般的に、他の相続人と顔を合わせることはありません。それぞれが調停委員という方に話をして進めます。ご自身の考えや要望を調停委員に話します。他の相続人も考えや要望を調停委員に話して、調停委員が調整してくれます。アドバイスを貰ったり、折衷案を提示されたりします。

調停委員という第3者が間に入ってくれることで、不公平感が生じにくい、納得しやすいなどのメリットがあります。費用は被相続人1人につき1200円と安価です。この他に切手代や戸籍謄本を取得する費用もかかります。

ただ、月に1回程度、平日の日中にそれぞれが裁判所に行かなければなりません。これが長いときには2年近くかかることもあるようです。平均的には11ヶ月ちょっとのようです。現実的にはよほど余裕があるときにでないと、難しいかもしれません。

 

遺産分割調停と司法書士の仕事

遺産分割調停を申し立てるとき、家庭裁判所に遺産分割調停の申立書を出します。司法書士はこの遺産分割調停の申立書を作成することができます。また、必要書類である戸籍謄本や不動産の登記簿などを職権で取得することも可能です。

簡単に書くと、遺産分割調停をスタートさせる準備を司法書士にお任せできる、ということです。

ただ、司法書士は弁護士さんと違い、代理人としてご自身の代わりに調停に参加することはできません。調停に同席することもできません。あくまで、書類上のサポートとなります。

 

遺産分割事件の件数と割合

平成30年の遺産分割事件数は1万3040件です。(司法統計 家事 平成30年度 遺産分割事件数 による)

平成30年に亡くなられた方は約137万人です。(厚生労働省 平成30年 人口動態統計の年間推計 による)

おおまかな計算ですが、故人100人に対して1人が遺産分割事件数としてカウントされているようです。

 

第3者が淡々と進めた方がいいことも

上記のように、遺産分割調停はメリットもありますが、現実的にはそう多くのケースで利用されているわけではありません。やはり話し合いで解決した方が圧倒的に短期間で終わることがケースが多いと感じます。

もし、すでに相続で揉め事が起きている場合等(紛争性のある場合、もしくは予想される場合)には、弁護士さんにご相談ください。家事事件の場合、司法書士はお客様の代理人として他の相続人の方を説得したり、交渉したりはできません。

そこまではなく、単に直接会いたくない、電話したくない、という状況であれば、司法書士に遺産分割協議書の作成をご依頼されることで、司法書士が他の相続人に案を郵送したり、内容の説明を行うことが可能です。

もちろん、他の相続人の方が説明や連絡を拒否された場合や、争うことを示唆された場合にはそれ以上のことができなくなります。こうした場合は弁護士さんをご紹介しています。

つまり、司法書士は円満な遺産分割協議のときにしかお役に立てません。逆にいうと円満に協議が終わるように最大限の努力をします。

いきなり調停などをすると、余計に関係が悪化してしまうかもしれません。まずは円満な遺産分割協議を目指して、司法書士にご相談いただけると幸いです。

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